NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2005年1月22日(土)

第52号『ごきげんの森〜げんきになる森じゃ。〜』(清水洋幸)

1月13日(木)、先週の話ですが、長崎のとある幼稚園で、参加劇『にこにこ山はたいへんだ!!』の公演を行ってきました。その様子は、トップページの写真にもアップされてます。『にこにこ山はたいへんだ!!』は、どんなお話かというと、仲良しの3匹、とんちゃん・てんちゃん・かんちゃんが、村のおまつりオリンピックに必要な聖火のたいまつを届けるというものです。そして、にこにこ山に向かう途中にはオオカミのいる泣き虫峠を通らなくてはいけません。困った3匹は、“ごきげんの森”に相談に行きます。はたして、どうやってオオカミという障害を越えてたいまつを届けるのか!?というお話です。

最終的には、3匹とごきげんの森(=子供達。お話の中で子供達は“ごきげんの森”という存在で活躍します。)は力を合わせて、たいまつを届けます。どうやってオオカミという障害を解決するかは、その時々・公演ごとに、“ごきげんの森さん”と3匹が考えてくので、毎回違うものになります。もっと詳しいお話の内容は、僕が以前書いたバーバンNOW4号に書いてあるので、もし、よければ見て下さい。

今回の公演で僕が感じた事は、思いがひとつになる事の心地良さです。

物語の中で、いろんな思いをそれぞれの人が持ちます。それは、3匹とんちゃん・かんちゃん・てんちゃんそれぞれの思いだったり、3匹の思いだったり、オオカミの思いだったり、劇を見ている子どもとしてのひとり一人の思い、或いはごきげんの森さんとしての思いだったり、とにかく、物語が進む空間でいろいろな思いが交錯しています。

例えば、3匹の“たいまつを持つこと・届ける事”への憧れや、3匹がケンカしたり・対立・葛藤する中で互いに抱く思い、オオカミという存在に恐怖に怯える3匹の思いだったり、オオカミの腹がへっている思い・食欲だったり、そして、それを見たり参加する子どもたちの3匹やオオカミに対する共感や思いやり、反発心、恐怖などなど…もっとたくさんの書き尽くせない思いが生まれているのではないかと思います。

そして、そんなたくさんの思いは、一体どこから湧き起こってくるのだろうとふと思い、考えてみました。それは、他者の思いではないかと思いました。他者の思いに思いを馳せることから、自分の思いが生まれてくる。“3匹のたいまつを持つこと・届ける事”に対する憧れに子ども達は思いを馳せ、3匹に共感してくれます。3匹同士もそれぞれの思いに共感したり反発したり、お互いの思いに影響を受けて、思いが生まれてきます。そして、子ども達=ごきげんの森さん達の思いに3匹も寄り添い、その思いを物語に汲み上げ話が進んでいきます。

思いが思いを生み、思いが繋がり、最後はオオカミを追い出すために思いをひとつにして力を合わせる。僕は、ごきげんの森さん達みんなと一緒にオオカミを追い出そうとしている時に、思いがひとつになっているのを感じました。その一体感の中で、みんなのエネルギーに励まされ支えられて、自分のエネルギーが増えていくような気がして、とても嬉しかった。舞台と子どもたちのいる客席との境界線は、実際にはあったけれども、その境を感じなかった。みんなが同じ空間・物語に対等にいる仲間でした。

思いをひとつにしたあの心地良さは、今でも覚えています。
思いを互いに響き合わせて、対立や葛藤しながら互いの思いに寄り添い、思いを支え合って、みんなで思いを束ねていく。
そんな経験やそれを共にして思いを分かち合った仲間達がいるのということは、ぼくは、ものすごく大切な事だと感じてます。そういう実感が、生きていく上で大きな支え・励ましになると思うからです。

ぼくも、困った時・悩んだと時、何度、そんな思い出や仲間達に助けられた事でしょう!ぼくにとって、そのような経験や思いを分かち合った仲間は、宝物です。何にもかえがたい、かけがえのない仲間です。いつでも、励まし合い・助け合い・支え合える仲間です。

「にこにこ山はたいへんだ!!」では、3匹に対して、ふくろうおじいさんのセリフで、次のようなものがあります。

『何か困った事や大変なことがあったら“ごきげんの森”に行きなさい。ちゃごちゃしていて、まぐれだけど、げんきになる森じゃ。』

「にこにこ山」をはじめ、バーバンの活動の中で、子どもから大人までが“ごきげんの森”のような仲間や関係を見つけたり築く機会を作っていけたらいいなと思う今日この頃です。

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