NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2005年3月27日(日)

第60号『書をたしなむ』(金子ざん)

先日、久方ぶりにお習字をやりました。顔真卿(ガンシンケイ)という人の字を臨書しました。臨書とは大雑把に言うと、その人の書いたとおりにまねて書いてみるものです。顔真卿さんの字は独特で、くせのある字です。明朝体の基になったともいわれていて、ちょっとユーモラスな書です。決して上手いとはいえません。

知らなかったのですが、昭和の中ごろに『書は芸術かどうか?』という論争があったそうです。書が芸術かどうかは、わかりませんが、表現としてとらえるといろんな人の書を面白く鑑賞することが出来ます。見ていて、心地よくなったり、気持ちが引き締まったり、ゆったりしたり、落ち着かなくなったり、上手いとか下手とかでなく、そこにその人に息づかいやたたずまいが見えてきます。それが面白いのです。

私が好きな人の一人の良寛さまの字は、実に細くてひょろひょろしています。でも凛としていて、生き方に筋が通っているように見えます。でも、書かれる言葉は『いろは』だったり『備忘録』だったりあそびや生活の臭いです。正直で、清楚で、孤高で、でもおどけているそんなことを感じます。

昔、習字は苦痛でした、字を書くのが好きな私でも苦痛でした。特に、教室など行くと級や段を意識し、また誰ちゃんより上手いか下手か、写真に載るかどうかそんなことを気にして、キュウキュウとしていました。でも、今、改めて良寛さまや、空海さん、一休さんらの字を眺めたり、映画のタイトル文字やお店の看板やら、花に添えられた文字を眺めたりすると、かなり自由で、そこに書いた人の楽しさが内在しているのがわかります。その楽しさに見ている人が共感し感動するのだとしたら、今まで味わってきた苦痛は何だったのかと思います。表現するって、本来楽しいものでないかというのが、遅かりし私の最近です。そこに、ひとりひとりの表現があり、表情があり、個性があります。

個性といえば、北さん、須貝さん、千葉さんの字はそれぞれにかなり個性的で、誰が書いたか一目瞭然です。年輪かもしれないし、自己主張がはっきりしているとも言えるでしょう。

私も、いろんな字に書に触れて、臨書し、その人の思いや背景に触れ、迫る中で、自分の字を編み出そうと思います。書を含め、表現することを大いにたのしみたいと思います。

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