NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2005年6月1日(水)

第69号『関わることを諦めない』(須貝京子)

5月21日から25日まで、福岡・佐世保・長崎の五ヶ所で、ワークをしてきました。公演が1回も入らず、ワークだけというのは珍しいスケジュールでした。東京を離れると、雑事に追われることなく、目の前の仕事だけに集中できるので、とても有難い日々です。

そして今回は、北島・清水・私の滅多にない組み合わせです。本番はもちろん真剣勝負ですが、それ以外は、誰かが、どこかで、何かを忘れ物している珍道中でした。都合良く、言い換えれば、オン・オフのバランスの妙・・・!?


【関わりの中に権利あり】
バーバンとの出会いは、はじめての高校生・青年達。初めは、表情も硬い。「心地良い関わりとは?」のグループディスカッション。一見、会話が弾んでないように見えますが、一人ひとりが、沈黙に耐え(?)考え、言葉を捜しだしていました。

感じてはいるけど、適切な言い回しや言葉が見つからない。
背中に手を回し、あちこち掻いて、痒いところを、捜している様子に似ています。苦心の末、どのグループも、「心地良い関わり」には、他者の存在が不可欠であることを導きだしました。

最後に、「隠れる」「ジャンプする」「逃げる」「それぞれのグループ独自のポーズ」を使ってのお話創り。
私の入ったグループのタイトルは『天国と地獄』。草っぱらで遊ぶバッタの前に、突然現れた蟷螂との話。

「こういうの得意」「いいの浮かんじゃった」と気をてらうことなく、嬉しそうにアイディアを出す彼の直球の表現が、爽やかで、彼のリードに身を委ねるのが、みんなも心地良かったです。

そして、他のグループの発表にも「いやー、面白い」「すごいねー」と認めます。それは、彼だけでなく、そこにいるみんなが、互いの良さを認め合える空気ができあがっていました。


【幼児親子との忍者あそび】
4才から6才の7組の親子。はじめは、家族ごとで固まっています。五感を使ったあそびを重ねていくうちに、「大人もあそんでいいの!?」お父さん、お母さんの、戸惑いが笑顔に変わり、子どもの笑顔も、大きく広がっていきました。最後は、一人一本の巻物届け修行。

「影忍者に気づかれないようにいこう。影忍者の印は黒」と言うと、

「くろだね、くろ、くろ・・めだま!」

「そうだ!」

幼児忍者達は、真剣な顔で納得。大人達は可笑しくて、思わず笑いそうになりつつ、その純粋さ・真剣な姿に、こころ打たれてしまいました。「めだまに気をつけろ」を、合言葉に無事、任務を遂行。


【あそび合う大人のための講座】
講座の主旨を皆で確認するため、青年・大人とは、「あそび合うとは?」で世代別での話し合いです。

「待ち合わせてもないけど、公園に行ったら、みんないて、わーってあそんでいる感じ」
「受け止めて、のっかる」
「一緒に笑っている時」

幼児親子あそびのスタッフのテーマは、「あそんだ・あそび合ったの違いとは?」

「あそんだは1人でもできる。楽しいと感じない人がいても成立する。自己満足」
「あそび合ったには、仲間・関わり・やりとり・安心感・対等平等感がある」

両講座とも、たくさんの話からキーワードを見つけるまでに、しんどさがありつつも、答えを見つけていく過程を、楽しんでいるパワーが、伝わってきました。


【幼稚園の先生達との表現・イメージあそび】
一日の仕事を終え、園あげての16人の研修で、全員初めてです。園長・副園長も「初めだけ」のつもりが、先生たちにまじり最後まで参加していました。みなさん、あそぶ度に、体の力が少しずつ抜けて、表情が柔らかくなっていった。

「いつの間にか夢中になってあそんで、時間を忘れていました。こんなふうに、子ども達とあそびたいです。」

先生の笑顔に嬉しくなりました。


【障碍をもつ子ども・お母さん・サポーターさんとのあそびの会】
「はじめての試みなので・・・」担当者は、少し心配そうです。

始まる前に、サポーターさんと、子どもの頃好きだった遊びで自己紹介しました。

ボタ山のぼり、魚とり、探検、ごっこ、ままごと、ゴム段、嬉しそうに、懐かしそうに、大事に思い出を語る姿に、みんなの気持ちが重なって、こころが、あたたかくなりました。みんながいるから、みんなでいるから大丈夫!

そうした空気の中で、子ども達、お母さん達を迎え、あそび歌、丸めた新聞紙をへび君のたまごに見立てての、表現・イメージあそびをしました。

「自閉性障碍の子が多かったので、みんなが最後まで部屋にいられるか心配だったけど、その子なりの遊ぶ姿に、すごいなと思いました。」

「いつもは、一人遊びが多くて、大人もそれに合わせているけれど、一緒にもあそべることがわかりました。」

子ども達は、一人として同じ動きをしていませんでした。
ずっと外を見ていたり、机の下にもぐり込んだり、走り回ったり、黒板に絵を書いたり。

一見、勝手なことをし続けているように見えますが、全体の動きをちゃんと見ています。へび君の人形を触りにきたり、たまごと一緒に寝転んだり、たまごを集めた布を体に巻きつけたり、ギターをなでたり、自分で面白さを見つけていました。

その動き・発言が実に的を得ているのです。そのことであそびが広がっていくのです。
自分のこだわりと、みんなとの遊びを行きつ、戻りつしていました。そして、いつもはあまり見ることのない、楽しそうに遊ぶ大人達の笑顔の中にいることが、彼らを安心させていたようです。


【ワークを通して】
関わるという行為は、相手(他者)の存在があって、初めて成り立ちます。

その関わり方も、正面からぶつかったり、ひいてみたり。その場の状況に応じて変えていくしなやかさが必要です。その場で起きている事実をしっかり見極める勇気と冷静さも大切です。

みんなにとって、心地いい関わりは、誰かが用意してくれるものではありません。そのことに向けて、どのワークでも、皆さんが真剣に取り組む姿がありました。それは、今を変えていく力です。

『関わることを諦めない』、

その先にある、

『私がいて、あなたがいる。みんながいるから嬉しい、楽しい』という実感を共有したいからです。

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