NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2005年9月7日(水)

第79号『劇作りを通して見えてきたもの』(金子ざん)

8月後半、『ざん・ぱら・りん劇場』は、大分県およびさいたま市の児童館(児童センター)を7ヶ所巡りました。
そして、うち5ヶ所の児童館にて、劇作りのワークショップを子どもたちと展開しました。

進んできたと言うより、職員に面白そうだから言ってみなさいとか、なんとなく来たという子たちがほとんどで、そんな子達を前にして本当に劇ができるのか職員の方のハラハラガおさまらない前で始まります。
時間は2時間、そこで劇を作り午後の発表(『ざん・ぱら・りん劇場』の前にお客さんの前で発表します。)となります。

手がかりは、地域にある民話、そして、子どもたちの中にあるものです。


自己紹介をしたり、仲間集めをして、いよいよ劇作りです。

池に大蛇がいるんだって?
河童のお祭りがあるんだって?
「馬」の字が地名に入っているのはどうしてなんだろうね?
なんていうところあたりから、問いかけていきます。
すると、「ヘビは人間からいじめられていて、それで人間になろうとしたんだよ」とか、「むかし人間は、赤ん坊を川に流したっておばあちゃんから聞いたよ、それを河童が育てたんじゃあないの」、「馬がいろんなところから、石を運んで村の人のために橋を架けたんだよ」と、その土地の動物に思いを寄せて想像したことを喋りだします。

ああ、そうか、なるほどね、と言いつつ手がかりからお話を広げてゆきます。
「ヘビは人間になるたえにどんな修行をしたんだろうか」
「河童が育てた赤ん坊はどうなったんだろうか」
「馬はどうやって石を運んできたんだろうか」
今度はグループに分かれて演じてみようか。
こうして、物語が徐々に形になっていきます。

リードするメンバーはそれぞれがグループに入り、整理し、提案し、創り合っていきます。
子どもたちの中にある言葉、思い、やりたいことが何なのか、どこに心が動くにか、をじっくり探ります。
時には、それは違うんじゃないのということも伝えます。
でも基本は、かれらの中にあるものにビックリし、やってみようかと言うことです。

お芝居だから、それこそ出来ないことが出来ます。
空を飛ぶこと、重いものを持ち上げること、20年経つこと、2000年前の世界に行くこと、火山の噴火、やっつけること、かわいそうだけど赤ちゃんを川に流すこと、そんなことを体験する中で、自分の今の感情感覚が、ストレートにお芝居に出てくる気がしました。

殿様の言う事に従いたくなかったり、やっぱり亀の役をやってみたくなったり。
生の感情・感覚が流れ始めると、本当にお芝居だけれどそこに力が加わり、自分たちが伝えていきたい作品、思いのある作品になっていきます。


さて、発表を前にすると、かれらは大変緊張しました。
自分の考えた役を、セリフを、演技を、音をしっかりとできるかが心配になってきたのです。

練習をこっそりしたり、自分のセリフを書いてみたり、この真剣さと緊張感が見ているお客さん(子どもと大人)に伝わります。
お客さんが、笑ったり、声援してくれると、ホッと緊張が解けていきます。
こうやって場がひとつになり、創ったお芝居がお客席にしみこんでゆきます。

衣裳にこるわけでなく、セットがあるわけでないその日だけの出来事ですが、自分たちの地域にある民話伝説を、自分の体を通して再創造している姿です。
はじめ、どうなることかと心配していた職員の方も「ああ、こんな風に出来ていくんだ。」「せりふって書いてなくても自分から言えるんですね」「次のせりふを周りの子が教えてくれているのがいいですね」など、感想を下さいました。


表現したことを、しっかりと受け止めてくれる。
だから、また緊張感を持ちつつ次の表現に移っていくことができる。
表現すること、受け止めること、そこに大きな力を感じるひとときでした。


ちなみに、こんなお話が出来ました。

大分県杵築市
「七双子の蛇」・・・池にすむ魚を全部食べてしまった蛇と、殿様や村人との物語。最後には7つのお墓が出来ます。

大分県佐伯市弥生
「とが牟礼城の蛇」・・・子ども達にいじめられた蛇が人間になると、苦闘する物語。

大分県中津市山国
「かっぱなかよし」・・・人間が泣く泣く流した赤ん坊を河童が育てます。その後人間と河童は・・・。

大分県別府市
「亀のつくった温泉」・・・意地悪ばかりしている亀が神様の怒りに触れて白くなってしまいます。さて、大亀様に会いに行きます。

さいたま市
「馬が作った七つの橋」・・・与平衛さんに大事に育てられた7匹の馬が、村人のために石の橋を作ろうと奔走します。

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