北九州長崎と続く『黒マント団―忍者まちを遊ぶ』の公演の中での初日、街中での忍者修行。私のチームは「はさみ」チーム。1年生2年生の男の子4人。
そして言い渡された修行は、「レインボータウンの中に隠れている仲間忍者(「キッタン」という女性)を見つけ出し、商店街の中央広場へ、連れて行くこと。ただし、影忍者に見つかってはいけない」。
手がかりは、「寒いところがすき」と言ったキッタンの言葉と、キッタンの容姿(やや小柄で、ねずみ色の服装)、それと、いつ開いてもよいともらったヒントの紙切れ。
トイレに行くことも忘れて、さあ、出発。
入り口を飛び出すと同時に4人はそれぞれ違う方向へ、飛び出した。「はさみヒカリ(集まれ)!!」
「どこからさがす?」「外が寒いトコじゃない?」「そうだよ、2階から外に出られるよ」「よし2階だ」走る、走る。そして2階の広場をぐるぐるとまわる。
「いないよ」「ほかに寒いトコあるかなあ」「3階に行ってみよう(なんとなく暗いところがありそう)」「よーし」走る、走る。
「いた!」「ほんと?」ざざっと集まるはさみチーム5人衆(私もハアハア言いながら)。「違う、キッタンじゃない」「ほんとうだ、この人は男の人だ」「おーい、こっちに暗いとこがあるぞ」「そっちだ」また、走る、走る。
「階段が寒そうだよ」「エレベーターの中は?」「向こうにも階段があったよ」「地下にも、暗いところがあるかもしれない」走っている中で、寒い=くらいと言う構造ができたようです。そして、走る、走る、走る、走る。階段もあるもんで、のぼる、おりる、のぼる、おりる、飛び上がっては飛び降りる。
「フウ、いないね」「ヒントの紙切れ見てみようか」「よーし」・・・『2階レインボー広場を探せ』「やっぱり2階だ」「ええ、あそこのどこに隠れているんだ?」と言う私の言葉はすでにむなしく、走る4人、私もまじって走る、走る。
「どこだ?」「さがすんだ」「いたぞ」「シーッ、影忍者に聞こえちゃうよ」(舞台の裏にいました)「いたいた」「探しましたよ、キッタン」「よく見つけてくれましたね。ありがとう」
「さあ、これから、(影忍者に見つからないように)どうする?」「フロシキをかぶせようよ」「それは、いいね」バサッ、バサッ。
「ぼく偵察するよ」「頼むよ」「大丈夫だ、(今なら影忍者がいない)、早く早く」「ぼくは後ろから誰か来ないかを観ていくね」とキッタンに手を添えて、押し出しながら、後ろを警戒している。
「あっ、(影忍者だ)、隠れて」自転車の陰に身を潜めるはさみチーム、そこには、ノートチームもいたようだ。「そっちも仲間忍者見つかったの?」「うん」「じゃ、一緒に行こう」
「あっ、影が来た、逃げろ」バラバラバラバラ、シーン。・・・「こうなったら、別の道を行こう」「こっちに抜け道があるぞ」「おーい、キッタンをおいていかないでくれ」「大丈夫だよ」。
「よーしこうなったら、ぼくらが影をひきつけるよ」「頼むぞ」「おーい影忍者、こっちだぞ」「よーし今だ、キッタン行くよ」中央広場には、先に来たチームが待っている。
「早く、早く」「おっ、待てー!!」追いかけてくる影忍者。フロシキをかぶったキッタンは、はさみチームに囲まれながら、安全地帯へ。迎えた仲間たちの拍手。
「ぼく、影忍者をおびき寄せたんだ」「後ろをずっと見てたんだ」。キッタン後で聞いてみたら、フロシキをずっとかぶっていたので、どこをどう通ったのやらわからなかったとのことでも「ずっと、私の後ろを誰かの手が支えてくれていたので、嬉しかった」と感想を言っていました。
とにかく、その間も5人衆は、走って、とまって、隠れて、逃げて、走って、走って、走りました。
この後も修行は続くのですが・・・
とにかく、走りました。でも、走る中で、いろんなことを考え感じ思うんだと言うことが本当によくわかります。からだまるごとが、走り回ることで、ぐるんぐるんと回転してゆくんだということを。
私たちは、この子どもたちの走る姿を保障していかなくてはと思います。
塀を高くすることよりも、まちに子どもが群れ遊びあう環境を、この『黒マント−まちを遊ぶ−』は思います。 |