1月の29日に千葉長生茂原おやこ劇場にて『ざん・ぱら・りん劇場』がありました。その際に行った、劇作りワークショップでのこと。
参加者は、小学校1年生から6年生までの子どもたちと大人そしてオマメとして参加の幼児さんの計15人。
題材は、『茂原(市)』の語源とも言われている『藻原寺』という、大きなお寺にまつわること。初詣にはそれこそたくさんの人がお参りし、弁天池の桜は有名とのこと、そんなお寺にはむかし五重塔があって『かもとりごんべい』さんのような民話があり、塔のてっぺんにカモに引っ張られたごんべいさん(猟師)がぶる下がったという話が残っていました。
さっそく、参加者にお寺についての情報を聞きました。『おっかない鬼のような像があるよ』『2体あるよ』『風神に雷神だ』『守り神だよ』『カモもいるよ』『カメもいるよ』『タヌキもいるよ』『鐘があるよ』『池があるよ』『大きな提灯があるよ』いろんな手がかりが出てきました。そこで、欲張りな猟師(『かもとりごんべい』)のお話を聞いてもらい、これをどういうお話にしようかとなりました。『怒った雷神が猟師に雷を落とすというのはどうだろう。』なるほど、雷神はどうして怒ったの? 『自分の大事にしている金(キン)を取られたからだよ』茂原には金があったわけだ(実際にはなかった)。じゃあ、風神は?なにを守っていたの? 『桜だよ』なるほど、季節になると、程よい風をおこして、桜をハラハラと散らしたわけか。猟師は、がめついから、タヌキのほかにどんなものを手に入れたの? 金、桜、マグロ(?)、カモ…、でも最後には、『風神と雷神の怒りにあって(太平洋に)飛ばされてしまうんだ。』『でも、風神と雷神に謝って、お寺に戻って、それからはお寺を守るんだよ。』こんなことが、みんなと会話をする中で、出来上がっていきました。出された手がかりが、上手くつながって、お話になっていきます。『雷神の落とした雷に、天然ガスが引火して、爆発するというのはどうだろう』天然ガスは、茂原で出るんだそうです。そんなことまでがつながるオマケ付きでした。
そこからいよいよ劇の練習そして本番です。
主人公の猟師は、4年生の女の子がなりました。猟師の名前を考えるのに、五作、ジョン、悪べえ、ごん作、ソウベエと巡りました。「ずるがしこくて、欲張り、でもちょっと間抜けなところがある…」けっこう時間をかけ、まわりの男の子と相談して考えました。考えただけあって、ソウベイは、へまだけれど、ところどころでずるがしこい。そんなソウベイは笑い方も練習を重ねるたびに深みを増していきました。
村人と音を担当した6年生の男の子は、ソウベイ(猟師)がカモを取っている間に朝日が出るシーンで、朝日が出た瞬間にニワトリの声が欲しいと思って、本番で、高く一声鳴きました。
マグロの役をかってでた2年生の男の子は、太平洋に飛ばされたソウベイに意見する場面で、「魚をいじめないでね」というせりふを言うところを変えたいと申し出てきました。そして、本番言ったせりふが「自然を大切にしてね」というセリフでした。
練習を重ねていくうちに、言葉や動きがそれぞれの中で問い返され吟味されてゆくんだなあと思いました。
上演後の観た人の感想の中で、「衣裳を着ていないのに、風人や雷神に見えたり、サクラやタヌキやマグロに見える。それに、やっている人たちが、(衣裳がないことで)自由なのが面白かった。」という言葉がありました。この劇作りは、観る人の大いなる想像力と暖かい眼差しがあって成立するものです。その幇助するエネルギーが、安心して表現できる場を生み、表現を強くし、前向きなものにするのだろうと思います。
劇作りワークショップでの一コマでした。
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