NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2006年2月27日(月)

第96号『「物語」をあそぶ』(北島尚志)

先週(2月上旬)は長崎・熊本で「ぐぅちょっぱ劇場」の公演をしました。幼児対象の参加劇(共に創り合う)で、『森の劇場』の第3弾(他の2つは「魔法の森の招待状」と「ニコニコ山はたいへんだ」です)としてつくった「ぐぅちょっぱ劇場〜あおむし君の冒険〜」、九州初見参です。
この作品の後半は「あおむし君の冒険」という話を共に創り合い、あそび合う中で物語が進んでいきます。子どもたちはあおむし君のお話をしっかり見、聞き、やがて自分もこの物語の中であおむし君と関わる登場人物になったり、あおむし君が見つめる「森」であり「山」であり「美味しいもの」になっていったりするのです。そしてあおむし君がちょうちょになるまでハラハラドキドキしながら見守っていくのです。
こちらが想像した以上に子どもたちはあおむし君の想いに心を寄せ、その言葉に、その動きに反応し、声をかけ、共に動き、表現してくれます。ハゲタカに追われるあおむし君を木や岩や穴に変身し、隠してくれます。岩の家の中で隠れてるあおむし君に子どもたちがささやきました。
「ずーっとここにいていいよ」と。
お腹が痛くなったあおむし君に手を当てて温めたり、自分のコートをかけてくれたり、薬や薬草を飲ませてくれたり…中にはお医者さんが突然現れ、「グー注射」をしてくれて治してくれたり…。
そんな子どもたちに温かい眼差しを注いでくれるうしろの大人達。子どもたちはそんな安心感の中でたくさんひょうげんしてくれます。あおむし君の気持ちに思いを馳せ、感じ、受容し、共感し、あるいは自分自身に重ねながら物語の中を生きていくのです。
改めて思います。物語は子どもたちにとって無くてはならない世界なのだと。
子どもたち自身が願っている
「もっと大きくなりたい!」
「もっと成長したい!」
「変わりたい!」
という想いを物語を通して追体験し、
「大きくなれる!」
「変われるんだ!」
を実感し、また、でもそこに行くまでには困難なことがたくさんあるんだなあ、ということも実感します。それでもきっといつか乗り越えていくんだ、という希望を見出していくのです。

私たちは今、生きていくことに、いや人との関わりの中で生き合うことに疲れ、希望を見出しにくい状況の中にいます。子どもたちにも
「大変だぞー!」
「恐いことばかりだぞー」
「大人が声をかけたら逃げなさい」
と、生き合うことを否定することばかりを言わなくてはなりません。しかし同時に
「生きることは悪くない!」
「他者と関わることは面白い!」
「何かを協力して成し遂げられる喜び」
「いつかきっと変われる」
ことも実感していかなくては、本当の意味の「生きる!生き合う力!」にはならないと思います。物語の中で生き合う力を磨いていきたいのです。

1時間5分という短い時間の中で、子どもから大人までが「あおむし君」のお話を共有し、共に生きていくことの力を実感していきたいのです。

子どもたちのそばで、そんな物語を共にあそび続けたい!と願っています。

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