神戸でアフタフ・バーバンが立ち上がったとき、立ち上げ者の能勢雅子は〈つながって生きていこな!〉の言葉を思いの真ん中にしていました。この言葉は阪神淡路の震災後人々の心をつなぐ言葉でした。
その神戸で、私達アフタフ・バーバンが7年間ずっと追い続けてきた高齢者対象の表現活動プログラム〈いずみこんこんわーく〉の講座をたちあげました。
〜してあげるのではなく、〜してもらうのでもなく、〈私達はいろいろな世代とつながって生きている〉の思いを高齢者のみなさんとどのように持てるか、そのことを大事にして取り組んできた〈いずみこんこんわーく〉なので、まさにこの〈つながって生きてこな!〉の神戸で高齢者のプログラムが展開できることは、大きな力で後押しをしてもらっている思いです。
高齢者介護現場に携わっている方、関心のある方向けの連続講座ですが、実際に、デイサービスで〜老人会で〜高齢者の集まる所で、私達のプログラムに参加体験もしてもらい、同時に講座を受けてもらうという形です。アフタフ・バーバンが創った独自のプログラムとして注目をされている「いずみこんこんわーく」が講座とドッキングしました。先の2月から始まり、第1期は3月、5月、7月と続きます。
実は、この講座以前に、神戸では何回も高齢者ワークショップをデイサービスでやらせていただいています。
昨年秋、ある通所施設の金曜日のコースの方20人の所に行かせていただきました。
表現あそびといってもそれは分かり難く、みなさん何をするのかとても不安気な様子でした。
中には耳の聞こえにくい方、声の出せない方、認知症の方もいましたので、私達は進行の千葉・ざんの2人に加えて神戸スタッフ3人が皆さんの中に入いりました。
「自分が耳が聞こえないので迷惑をかけるから、いないものと思って・・・」という言葉に「大丈夫ですよ、○○さんのやる場面があるから待っていてください」と手を握りながら耳元で声をかけた所、〈秋の一場面〉を笑顔を浮かべた表情で演じ、ご自分に拍手していました。
その方に、今回もお会いして、「秋に会いましたね、また来ましたよ」と挨拶をすると大きくうなずいてくれました。
やはり、「自分は声がでないので置いておいて〜」と話された方がいて、スタッフは大丈夫ですよと膝に手を置いて話かけていました。
私達は「〜が出来ない」ではなく、「〜が出来る!」ことを一緒にしたいと思って向きあいます。
認知症であることをマイナスに考えたり、程度がどれくらいだからと問題にしてはいません。
今ここにいるあなたを受け入れ、目の前のあなたをいいなぁとか素敵だねと、感じ合いたいと思っています。
1回目の時、施設の職員の感想の中に〈あの人が、こんな風に動いたり言ったりするとは思わなかった。日常のあり方と違って驚いた〉という感想と、「(アフタフ・バーバンのこの活動は)日常の中にピンポイントの風が吹き、それがまた日常(デイサービス)に生かされる」という感想の中に、相互の有機的な関わりを見つけることができたのは嬉しかったです。
そして、この春。再会。
私達に対してと〈いずみこんこんわーく〉に対して不安感がないと、その先その先へと気持ちが動いていくことが実感できた春の会でした。
今回はもちろん春がテーマです。
春の歌がみなさんの口からでてきます。
102歳!の方が歌詞を思い出したり、みんなが歌っているのを「いいよね〜」と言いながら聞いていた方の口にも歌がでてきたり。
「男は歌なんか歌わなかった・・・だけど、知っているよ」と一緒に歌った男性の方。
今回はいろいろな場面で自然と歌が出てくるので、春(の歌)満開の呈でした。
自分の子ども時代に思いをさかのぼりながら自然と口に出てきたのが、童謡唱歌でした。
余談ですが、童謡唱歌を高齢者に歌わせるなんて、なんて幼稚な!という批判を受けた〜という巷での話も聞きました。
・・・が、歌自体の問題ではないと思います。歌いたかったのか〜、歌わされたのか〜ではないでしょうか。
今回は皆さんにあるテーマで思い出しをしてもらい、さらにそれを演じてもらう〈隣はなにをする人ぞ!?〉をやったのですが、そのテーマは〈お手伝い〉
5チームが子どもの時どんな手伝いをしたかを演じてもらうのですが、ひとり1人違った人生の中であっても、子ども時代のことはお互い心寄せ合うことができるものなので、「そうだった、そんなことやったねぇ」と同じだ!と発見があったり、「私はそうじゃなくて、○○だったからね」と数々のこだわりがあったり・・・各グループ話だしたら、まぁいろいろ出てきました。
でも、私達(下の世代)にとってはその時代の子ども・家族・友達、環境がよく伝わってきていました。「私は女の子やからね、母が厳しくて、いろいろやったねぇ〜」「僕は手伝いなんかしなかった。勉強はできたんだけどね。」
思い出しては話をいっぱいする人。で、それで充分なのか、実際には「いいわよ〜」なんていって笑ってやらない人。ニコニコと聞いているだけで何も言わないけれど、自分達の発表になると実際に演っている人。いろいろな人がいることがおもしろい。それがいいなぁと思えました。
私自身「私もその経験ありましたよ!」と接点を見つけたときは、とっても嬉しく、思わずざんさんと2人でそのグループの〈風呂の水汲みお手伝い〉に風呂桶として参加してしまったら、火吹き竹を吹いて風呂の焚きつけを即興で演じてくれたり、ついつい釣られて他のグループが風呂の湯気を演ったり・・みなさん拍手喝さいでした。
最後に春の花を咲かせてもらいました。グループで身体を使って、花を創ってもらいました。
「右近の橘 左近の桜」(さすが高齢者ワークです!)
5人の花弁が集まって菜の花(もちろん歌付き)
蓮の花(ポン!と開く時の音を出したかったそうです)
チューリップに水仙(歌が自然に出てきます)
「普段は顔合わすだけで話すことがなかったけれど、今日はみっちゃん(アフタフ・バーバンスタッフの名前)が来てくれたので話すことができたわ(関西弁)」の言葉をきいてあらためてこの活動は人と人を結びつけることができるピンポイントの風なんだと思いました。(アフタフ・バーバンのスタッフ感想より)
人との関わりが希薄になっていく中で、高齢者の方々にとっても、つながっていることの実感と新たな人と人の関わりを創っていく意欲を引き出していくことの意味を強く感じます。
そして、そのことに向かう私達自身、これから日本の社会の高齢者の在り様にも、心して取り組んでいこうと思っています。
「元気で・楽しく・自分らしく・長生きを!」の言葉と「つながって生きていこな!」の言葉を、〈いずみこんこんわーく〉の実践に込め、そのことに思いを寄せる人たちの輪が広がるために連続講座を、神戸の地に何度も何度もやっていきたいと思うのです。
高齢者対象表現プログラム連続講座の話は、次の機会にでも。
(HPの神戸のコーナーから、いずみこんこんわーく・講座の内容について問い合わせください)
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