NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2006年5月21日(日)

第103号『劇つくりを通して見えてきたもの(3)――お互いの力を感じあう瞬間――』(金子ざん)

先日、袖ヶ浦にて、「劇つくりワークショップ」がありました。
2時間という枠の中で大人と子どもが遊びあいました.
今回は「宝物」の紹介。自分たちの見つけた宝物をお芝居にして、みんなに届けようといもの。集まったのは、幼児(年長)から小学5年生までの子ども26人と、親や劇場スタッフが19人の総勢45人。はじめは一緒になって遊んで、後半チームを作ってのしりとり宝探し。その宝の中からひとつ選んで、それがどんな素敵なものなのかをお芝居仕立てにして発表してもらいました。
袖ヶ浦は、継続的にあそびの会を企画しており、数年前に私も行ったのですが、今回は久しぶり、以前1年生だった子がすっかり大きくなり、顔立ちも雰囲気も変わっていたのにびっくりしました。そして、そんなお兄さんお姉さんがいることが、場の空気を暖かいものにしていました。
さて、出てきたお芝居のタイトルは、
幼児さんチーム    『まほうのエンピツ』
小1,2年男の子チーム 『まほうのかぎ』
小3男の子チーム   『魔法の水筒』
小学生女の子チーム  『不思議なイス』
小4,5年男の子チーム 『不思議なペン』
大人チーム      『不思議な傘』です。
エンピツで絵を書くと本当にそのものが出てきます。クワガタムシやアンパンマン、洋服をターバンに見立てた不思議なインド人が出て来たりしました。
魔法のカギは、自分の欲しいものが出てくるカギ。ソフトクリームやレゴブロックが箱の中から現われます。箱をやるのも、ソフトクリームやレゴブロックになるのも子どもです。ソフトクリームがぺろぺろなめられて溶けていくところは、大人が大笑いです。
10種類もの飲み物が次々に飲める水筒。疲れたり、立ち止まったり、寒くなったり、暑くなったりする度に、いろんな飲み物を飲んでいました。
3回だけ好きなところにいける長いす、というのも登場しました。ニューヨークに行ったら自由の女神が現われたり、エジプトに行ったらピラミッドが現われたり、これは女の子達の表現。しかも面白かったのは、ピラミッドが横に移動したことです。「オーッ」という歓声が上がりました。これは、その前にねんどという遊びで大人が立派なピラミッドを作ったことに刺激されて、やってみたくなったことのひとコマです。表現がつながってかつ工夫されました。
4,5年生男の子のやった不思議なペンは、神様が町でゴミ拾いをする真面目な少年にペンを与えるというところからストーリーが始まりました。飛行機の絵を描けば、それが雄雄しく空を飛んでいきます。大切にしていると、どろぼうがそれを盗みます。どろぼうからペンを奪い返そうとすると、どろぼうに檻を描かれて、その檻の中に閉じ込められてしまいます。しばらく悪さをしたどろぼうは神様に捕まり、仕打ちを受けます。ペンが勝手に動き、鬼を描いてその鬼に食べられてしまうという見事なオチがつきました。
他のチームの作品も、意地悪なおばさんが、カギを乱暴に扱って、箱の中から出てきたワニに食べられてしまうとか、3回しか使えないのに4回使ってしまって、金縛りに合い、イスから立ち上がれなくなってしまったり、良いことばかりではないというくだりをつけることによって、物語が膨らみ、宝に価値が出てきました。
大人のチームも、名演技でした。差せば身体が消えて透明になるという傘を宝にして、お父さんとお母さんが大健闘でした。

物語を自分たちで創り、それを演じてみる。そこに、見る人に、笑いがあり驚きがあり拍手があると、表現したものがより自分のもの自分たちの力として実感できる。そして、また何か創ってみよう、表現してみようという気にさせてくれます。
あそびの会を継続的に続けてきたこと、それを前向きに支えてきたスタッフの方の日々の学びと実践は、何よりの力だと思います。
大人と子どもが、あそびあう中で関わること、イメージをいっぱい広げ響き合せていくことは、やはり、大事な大事な作業です。
次回は、まちの中にそんな手がかりを見つけて物語を創ってみようかな?と考えています。

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