NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2006年8月16日(水)

第110号『わく・どき・ぐぅ〜 その2』(清水洋幸・山内たいら)

バーバンも14日から5日間、18日までの夏休みに入りました。夏休みに入り、先日行われた、1泊2日の表現あそびワークショップ「わく・どき・ぐぅ〜」を改めて振り返ってみました。どんな事をしたのか・内容は、前回のNOWに書いてありますので、ご覧ください。

この「わく・どき・ぐぅ〜」を行ってみて思ったのは、1泊2日の中で、ワークを集中してできること、そして、だから、子どもから大人までのすべての参加者の中で、お互いに対する安心感や信頼感が深く広がるということです。その状況があり、あそび合う中に、一人ひとりが自分らしさや思いを伝え合う時間もたっぷりあるのです。そこには大切な関わりがたくさんありました。

1年生〜2年生が参加した前半8月1〜2日は、最後に『仲間宝探し』というあそびを行いました。各グループの仲間の中から1人が宝として、隠れてしまいます。その仲間宝を探し出すあそびです。ただし、ただ探し出すだけではありません。探し出した、お宝仲間をある所まで届けなければいけないのです。そして、そのお宝を届けさせないように邪魔をするオニがいます。オニにお宝仲間をタッチされてしまえば、そのお宝仲間を連れてきたグループは、その場で目をつぶりしばらく動けなくなり、その間に再びお宝仲間は隠れてしまいます。
グループでお宝をどうやってオニに気づかれないように届けるか、グループで作戦を立てていきます。みんなであ〜しよう!こうしよう!!とやりとりを重ね、そこから、実際に動いて、自分たちの思いを具現化していきます。
オニに『あっちにお宝の仲間がいたよ!』と、嘘の情報を流し、オニがそちらに行っている間に届ける作戦や、お宝仲間の服装を他の仲間のものと交換して、誰がお宝仲間なのか分からなくする作戦がありました。どのチームも大人がお宝仲間だったので、お宝仲間ではない大人が、お宝仲間の変装をしていました。しかし、あるグループは、大人のお宝仲間の服装を子どもが交換したので、洋服が、ぶかぶか&ぱつんぱつんになってしまいました。その姿は、まさに笑い!全然ごまかせていないというところが、またおもしろい。おもしろさって、こういうところにあるんだなぁと、実感しました。
おもしろさが、自分たちのやりとりの中から自然に溢れ出て来ること、そこで味わう心地よさが、子どもたちの中に、プラスのエネルギーとして蓄えられていくのだと思います。また、そんな心地よさが、子どもたち同士の‘心の接着剤’になり、お互いの関わりを、より深めていきます。

3年生〜6年生が参加した、8月4日・5日(後半)では、最後に、2グループに分かれて、‘自分たちの宝探し’をつくりました。
4〜6年生のグループでは、一人一人が、なかなか複雑なアイデアを出してきて、なかなかまとまらない。「頭がパンクしそう!」なんて子もいました。このまま終わってしまうのか?と思いましたが、2日間じっくり遊び合って来た子どもたち、あきらめずに話し合いを続けた結果、徐々にひとつの方向に向かって練り上げられてきました。悩みながらも、根気よくみんなで話し合えたのは、2日間の、たっぷり遊び合った時間があったから。そもそも、そうした時間があったからこそ、、‘この仲間たちとならひとつになれる’という安心感があり、一人一人が、自分の思いを相手に伝えようと、あきらめなかったのだと思います。みんなで悩み、ひとつの解決に向かうプロセスを体験できたのは、宿泊ならではの関わりでは、ないかと思います。
3年生のグループは前の夜にやった「宝箱を探し出せ!」のイメージをもとにあそびを考えていきました。特にどんなヒントを出すか?ということには部屋の中でもものすごく多くのアイデアが出ました。それぞれが面白いアイデアなのですが、まだどこに宝を隠すか、が決まっていないのでかなり早い段階で「よし、外に出よう」と部屋を飛び出していきました。35℃を超える猛暑のオリンピックセンターの中を‘宝を隠す場所’という眼で歩いていきます。それだけで「昨日とは違うオリンピックセンター」が見えてくるのです。広場の隅にぽっかりとある草むらで彼らの心は大きく広がりました。思わず駆け上がりたくなる階段の壁。宝の巻き物を隠したくなる草むらやベンチ。巻き物のダミーとしてちょうどいいホース。そこだけコンクリートではない土の涼しさ。宝の場所からヒントまでがどんどん浮かび上がってきたのです。自分たちが体験したことを自分の力に変えて、他の人たちに向けての面白さを作り合っていける。大変だったけれども、とても素敵な時間でした。

バーバンでは、皆さんのたくさんの有難い反響を受け、また、今後の課題と共に、来年度の『わく・どき・ぐぅ〜』に向け、構想を膨らませています。来年、どんな、わくわく、どきどき、ぐぅ〜ぐぅ〜に出会えるのか、今から楽しみです!!

『子どもがいて、大人がいて・・・』(須貝京子)

わく・どき・ぐうでの4日間、私たち大人スタッフは子ども達に鍛えられました。

子どもって、勝手なことするし、何を考えているんだかわからないこともあるけど、だから、面白いな!かわいいなあ!愛おしいな!と。そして、その気を出したら、侮れない存在であることを、39人の子ども達ひとり、ひとりが身をもって証明してくれました。

夏休みの子ども向けて、巷ではたくさんの企画が用意されています。

その中で、バーバンの宿泊型表現あそびでのこだわりは、<人と関わる面白さ>でした。

スタッフは、参加者の子どもを、お客様扱いするのではなく、共にあそび合う仲間として向き合っていきます。大人の指示に従わせるのではなく、誘導するのでもなく、子どもに迎合するのでもありません。

<人と関わる><やりとり>言葉で言ってしまえば簡単ですが、奥が深い世界です。

それぞれの遊びの場面で、私達が提示した問い(大きいものを、5人チームで体で表現する。宝をオニに見つからないように届ける。新しい宝探しを造る等)に対して、みんなで答えを見つけていきます。これを、何回も何回も繰り返していきます。「ねえ、どうする?」と。自分の思いをはっきりと主張できる子、すぐにでも動き出したい子、動き出す子、よそ見している子、自分はどうしたらいいのかの状況がつかめてない子、十人十色いろんな子がいます。どうしたらいいのか!?の思いを自分に問い、仲間に問いかけます。この時間が何より大事です。誰かがいい答えを教えてくれるわけでもなさそうです。大人も、真剣に考えている。「よくわからない・・」なんて、大人も悩んでいる様子です。子どもと大人が、とにかく、そこにいて同じ空気(混乱・けだるさ・喧騒・沈黙などなど)を吸って、吐いています。何とか答えを見つけようと、逃げ出さないで、諦めないでいることです。大人(スタッフ)は、この時間にしっかり付き合う覚悟が求められます。(ただし、これも、延々と時間をかければいいというものでもありませんが。)そして、ひとつひとつのあそびの持つ意味を的確に捉え、イメージの方向性をはっきりと示す力も必要です。

今回のわく・どき・ぐうでは、様々なあそびを通して、自分が自分らしくいることができる。自分らしく表現できる心地よさに出会えたと思います。そして、オリンピックセンターの会議室が、カルチャー棟が、広場の隅が、自分達だけの秘密の遊び場として、好きになり、一緒にあそんだ仲間も好きになったことでしょう。人と何かをするのは、楽しいことの実感です。<人と関わる面白さ>を、子どもと大人でじっくりと共有できたことが、大きく、豊かな収穫でした。

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