NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2006年9月13日(水)

第112号『自分の周りには、見当たらない?』(千葉知江子)

・・・・へんだなぁと思う。なぜ?と思う。

私の周りには、小泉人気なんかなかった。
東京オリンピックを開催することに賛成の人もいなかった。
私の周りに、ITでお金儲けをした人もいない。
かといって貧困のどん底であえいでいる人の話も聞かない。
引きこもりや、ニートの人を知らない。
リストラされた人も見ない。

・・・・世の中、ほんとうに、そんなことが起きているのだろうか?

フリーター、派遣、請負、ワークキングプアー・・・その人たちは、大変なの?
世の中、別にひどくないみたい。
だって、見かけないものそんな人。聞かないものそんな話。自分の周りのどこを見ればいるの?

障害を持っている人は働かないのに援助を受けている、これは不平等社会と言った人はいた。
不法滞在している外国人を追い出して、ホームレスを雇えば同時に問題は片付くのに・・・と真剣に意見を言っている人もいた。
家柄が良くて、夫婦仲良し、人柄がよさそうだからという理由で、多くの国民は自民党安部支持を得ているという。
ハロウィンなので家々を回ってお菓子をもらおうとイベントはもう盛り上がりを見せるけど、地蔵盆で近所の家々を子どもたちが回って、お菓子をもらう風習行事があったことさえ知らなかった。

なんだか分からないけれど、いろいろなことに実感がない。
みんな実感なくて語っている。

実感がないから、反対にどんなことも同じに受け入れることができるのだろう。
実感を持つ前に、いろいろなことに出会うことがない。
その変わり、文字での情報はどんどん入ってくるし、映像での情報は次から次へと流されてくる。
それらは、皮肉なことに、多ければ多いほど自分の記憶の中から流れ出ていってしまう。

感じる力と、目の前に無いものに思いを巡らす回路がないから、表面を見ているだけ・情報が聞こえてきているだけの感しかなく、実感にはならない。
表面を見ていることと、そのことを感じることはとても違うのでは。

・・・若い人たち(大雑把なくくりですが)!に、聞いていいですか?
あなた達は、楽天的?ポジティブ?貧乏は苦にならない?長時間働かされても疲れない?簡単に仕事を切り替えられてもついていけるの?PCさえ使えればお金を儲けられる?メール・ブログは知らない人とたくさんコミュニケーションでき、人とつながっていると思えるから、やるの?身体も気持ちもだらけているから、強く号令をかけてもらってピッシとした方がいい?退屈だから戦争なんかもあってもいいですか?そう・・・ですか?

実は、とても心配しています。若い人たちが置かれている状況が、厳しいを通り越して悲惨になっていくのを、団塊の世代の私は気になる。
だったら、人数も多く、可処分所得も多く持っていそうだから、何かしなさいよ!と言われてしまうでしょうけどね。
・・・その何かが分からない・・・・まだ。

でも、ひとつだけですが、分かったことがありました。
アフタフ・バーバンの表現活動講座をやっている中ででしたが、自分の周りや、自分のことに実感を持とうという臨み方をすると、見えてくる現実があること、状況が見えてくる〜ということが。

自分は何に困っているのか、何をつらい、いやだ、変だと感じているのか、何にぶつかっているのか、何から逃れようと、あせっているのか・・・・。
自分の状況を曖昧にしないでしっかり見つめる中で生じてくる感情や思いは、プラスのものもあれば、マイナスの気持ちのものもたくさんありました。
これらがその人の実感になっているのでした。
実感から、見えてくるものがあり、その先は想像力で紡ぎだせることが、わかったのです。

若い人はなぜ、怒らないのかと言われますが、自分を含む周りに視線・臭い、温度、感触、声音、表情、雰囲気、たたずまい・・・ひらがな文字の交換の中には生じてこないこれらのものがなければ、そこには実感はないし、実感が無ければ〜に対して怒るなどという感情の表出も、なくて当たり前です。
ただし、切れる〜というむき出しの感情の怒りは顕著で、何に対してなぜならば〜ということなしに、対象に曖昧に向かっているようですが。

アフタフ・バーバンの《大人のための表現活動講座》は、自分の実感と、実感を持った自分の言葉を持つことから表現することを見つめ、人と関わることを力にしようと、本気で根気よく取り組んでやっていこうと思っています。

現在神戸で展開中。
熊本では拡大講座として今月16〜17日に140人の人が集まり、このことに向かいます。
そして、10月から東京で今年度の表現活動講座がまた始まります。
たくさんの人が、参加してくれるといいなぁとおもいます。募集中です。

自分の周りで何が、なぜ起きているのかをしっかり見ることができ、そのために何をしていくか、私たちアフタフ・バーバンは、たくさんの人と、一緒にこの先を探りに行きたいのです。

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