NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2007年2月5日(月)

第121号『たいへんだけど・・・おもしろい!!』(清水洋幸)

僕は、毎日の生活の中で、自宅から最寄駅までは、基本的に自転車を使っています。駅では、駐輪場を利用していて、その駐輪場には、シルバー人材センターから派遣された方々が働いています。駐輪場内を整理したり、駐輪する人がきたらお金を受け取り、チケットを自転車につけるという仕事です。その時に、軽く交わす会話が僕は楽しみです。「おはよう、寒いねー」「そうですね〜」、、「今日は早いねー」「はい、いってきま〜す!」などなど、そこでは、わずかですが、ひと時のほのぼのした交流があるのです。
しかし、去年の秋ころから、駐輪場に自動改札機が設置され、駐輪するスペースは一台ずつタイヤをおさめる鉄枠が設置され、係りのおじさん達の役割がなくなってしまったのです。でも、おじさん達は一応駐輪場に立っているのですが、明らかに以前に比べ、駐輪する人たちとの関わりは減り、顔の表情がなくなり、活き活きとしていません。
確かに、朝早く、あるいは、夜遅くでも、自転車の出し入れが可能になり便利で、そして、おじさん達の仕事も軽減されて楽になったかもしれませんが、大切な何かが失われてしまったのです。便利になる、効率的になる、というプラスなことの裏には、人と人の出会い、交流、関わりが断たれ、どんどん一人一人が分断されていく、そんなマイナスの存在があるのだと駐輪場で実感したのでした。

そんな事を思っている頃に、実家の長野での仕事があり、次の日が休みだったので、自分のおじいちゃんの家に泊まることにしました。おじいちゃんは、今は一人暮らし。ものすごい山深い谷間の集落に住んでいます。その集落には、 おじいちゃん宅以外に2軒の家があり、その内の1軒は今は誰も住んでいません。次の集落とは2kmぐらい離れています。

そのおじいちゃんの家に泊まった日にある事件がおきました。
それは、布団に入ってからのことです。おじいちゃんは、寝るのが早い、9時には寝ます。一応、僕のおじいちゃんの生活に従って、おじいちゃんとは別の部屋で布団にはいりました。しかし、普段12時、1時まで起きているのが当たり前になっている僕は、全く眠ることが出来ず、電気をつけて、しばらく本を読むことにしました。
僕の部屋だけが電気がついています。時計の針が、11時を指すぐらいの時に・・・突然、
“ドンドンドン!ドンドンドン!!”と玄関の扉を叩く音が聞こえてきたのです。
でたぁ〜!!と思いました。山奥で古民家なので、僕の心は、日本昔話のモードです。音を聞いた瞬間ドキッとして、やまんば、あるいは、幽霊の姿が頭の中をよぎりました。息を飲み込み、体はじっと動きませんでした。 そして、その叩く音に続いて、女の人の声で、“おじさん、おじさん!!”という声が聞こえてきました。誰だろう???、僕は、恐る恐る、玄関を開けました。
すると、
目の前には、隣の家のおばんちゃんが立っていました。
「あっ、こんばんは!」
「いつも、こんな時間に電気ついてないから、おじさん倒れたのかと思って・・・」
「あ、、ごめんなさい、僕が起きていたのです。」
「よかったわ〜〜、それじゃ、おやすみなさい〜」
僕も安心しました。
そして、隣人がこんなに気にかけて見ていてくれるんだ〜と思い、なんだかいいなぁ〜、と嬉しいような柔らかい気持ちになりました。
近所同士関わりがあり、お互いの存在を感じあっている。そんな関係性が素敵だなと思いました。

一方、東京の自分の生活といえば、忙しさの中で、なかなかご近所との関わりがなく、お互いの事をよく分かっていません。なんだか、そんな自分のことがさびしく思えてきてしまいます。やっぱり、東京はこんな感じなんだなぁ・・・と失望に近い気持ちでいた時に嬉しい出来事がありました。
裏の家の人が突然尋ねてきて、「みかん狩りで、たくさんとってきたの」とういう事で、おすそ分けを頂くことになりました。とっても嬉しくて、こちらからも、お返しに実家から送られてきたりんごを渡しました。
僕の存在を、裏の家の人は、感じていてくれてたんだ!と感激しました。

関わりが分断されていく時代の中で、自分という存在を受け入れてもらえたり・認めてもらえる、あるいは、相手の存在を受け入れたり・認めたりする、そして、お互いの存在を感じ合い交流をしていくということは、なかなか実感出来づらいことなのかもしれない。でも、だからこそ、いまの時代にその実感がとても大切なんだと思います。
そういった交流・関わりというのは、面倒くさかったり、煩わしかったりする部分もあります。いろいろな人がいて、いろいろな考え、価値観があって、いろいろたいへん!だけど、でも、お互いに安心したり、嬉しかったり、楽しかったり・・・プラスを感じ合える部分もある。そして、そのプラスがマイナスを包み込める時、その実感が、関わりの中から起きてくる最近の様々な問題を解決するエネルギーになっていくのだ!!と思います。

ここ1週間、『にこにこ山はたいへんだ』という作品の公演を3回行いました。
このお話は、3匹の動物達にふりかかる問題・課題を、子ども達から思い・アイデアを受けて、みんなで一緒にお話を創り、解決していく、そんな形のお話です。
このお話のテーマソングの歌詞で、「いろんな顔や違った声が一緒に生きている、あ〜〜こりゃ、たいへんだ。(でも)あ〜こりゃ、おもしろい!!」という歌詞があります。
この公演を行うと、本当にこの歌詞の通りだな〜と思います。3匹の動物達を見て、子ども達はにこにこ笑いながら、3匹に思いを寄せてくれて、「おおかみがいるぞ!気をつけろ!」「いまは、だいじょうぶだ!!」と教えてくれたり、「足音をたてないで」「木になってごまかせばいいんだよ」とアイデアをだしてくれたり、「元気をだして」「また、困ったことがあったら僕達のところに来てね!」と応援してくれたり。自分のことのように一生懸命、いろいろなことをそれぞれが言うし、そのことばを汲んで話が進んでいくので、もう、どうなるかわからない、たいへんです!
でも、どれも、3匹に思いを寄せての言葉なので、3匹を演じている僕らは、みんなに受け入れられ認められている事を感じ、とても嬉しくなります。そして、演じている僕らも、子ども達の思いを受け入れ認め、お話を進めていくので、きっと子ども達の心の中にもプラスの感情が流れ、そして、その関わり合い・お互いの交流の中で、良かった〜!嬉しい、楽しい、おもしろい!!という達成感を感じ合っていけるのだと思います。その共有感や達成感は、「たいへんだけど、やっぱり関わることはおもしろい!!」という大切な実感を育んでいく肥料になるはずです。

『にこにこ山はたいへんだ』は、2月11日(日)に行う作品展でも公演します。是非、みなさんでお出かけください。作品展では、他の3作品も公演します。よろしくお願いします。
詳細はこちら

関わることはたいへんだけど、でも、やっぱりおもしろい!!
この事をみなさんと共に実感していきたいです。

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