NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2007年4月9日(月)

第125号『中学生との忍者修行』(山内たいら)

ホームページの掲示板にも書きましたが、3月は忍者の取組が立て続けにありました。僕が伺ったのは千葉県・茂原、埼玉県・鶴ヶ島、同じく埼玉県・志木、兵庫県・姫路、同じく兵庫県・網干、そして宮崎県・都城。それぞれ人数規模もまちの場所も違う取組だったので、それぞれに違った面白さのある忍者だったのですが、その中で中学生の子たちの動きについて書いていこうと思います。

われわれアフタフ・バーバンの忍者修行は一番フィットする年齢としては1年生〜4年生。ギャングエイジと呼ばれるくらいの子たちが心もからだも目一杯躍動させて修行に向かいます。

幼児も独特のとても面白い世界にはなりますが、まちの面白さに向かうというよりは忍者の面白さを楽しむ、といった段階です。

そして5年生以上の高学年の子たち。思春期へと差し掛かり、少し斜にかまえてお互いに顔色をうかがいながら、でもどこかで自分も修行したいと思って会場に足を運ぶ彼ら。彼らの面白さに迫ろう!とするならばそれなりに環境を整えて向かわないと難しいので、対象年齢を5年生以上にしたり、フロシキをかぶらなくても良いように「スパイ大作戦」としたり、忍者をやるならば夕闇の中での「闇忍」にしたり…。一度人との距離をとることで少しずつ大人への階段を登る彼らとの取組は、なかなか難しいものです。

兵庫県網干での修行では全体で「道場主様を探し出せ!」という修行に向かいました。


渡された手がかりと合言葉を元に、このまちに住む我々忍者の道場主様を探し出し、道場主様から証をいただいてくる、というこの修行。

小学生忍者たちはチームごとに一目散に道場主を探しに出かけました。

さて、導入の場所に残ったのは中学生3人組。

彼らは5・6年生のときにスパイ・忍者と経験し、我々とも面識のある中学1年生。

親がスタッフとして参加していることもあり、部活も休みだしとりあえず3人で来てみました、といった表情。

しかし、導入で楽しそうに修行している小学生、そして自分たちの親の姿を見ながら素直に「自分たちもやる」ってわけにもいかず、導入の途中で玄関ホールへ出て行き3人でリフティングを始めたりしていた3人(3人ともサッカー部のようで、それはそれで楽しそうにしてました)。

他のみんながいなくなったところで話しかけてみました。

たいら「君たちにも道場主様の手がかりを用意してあるんだけど、どうする?他の小学生たちよりも難しくしちゃったから見つからないかもしれないけど。」

中学生「(こいつ何言ってるんだよ、といった表情で…)見つからないわけがない!」


地元の子だけあって自信満々です。

中学生「見つけたらダンゴ食えるんやろ?」

そう、この日は道場主様に出会えた証を見せると奥様たち手作りのダンゴがもらえる、という流れも全て知っている彼ら。

そのダンゴをモチベーションとして3人はまちに出て行きました。

それから約10分。ゆっくりとした足取りで3人は集合場所に戻ってきました。

たいら「もう見つけたの?」

中学生「当たり前やん。あそこの○○さんちやったで。」

たいら「おう!さすが。でも他のところは?」

中学生「は?これで終わりやないん?」

彼らに渡した手がかりは道場主3人分。しかしその3つが一人の道場主様の情報と勘違いしていたようで、一人だけ見つけ出し戻ってきたのでした。

たいら「一人だけじゃダンゴはあげられないな。」

中学生「しょうがねえなあ…」

しぶしぶ再びまちに消えていく3人組。

こんな感じのやりとりがあって、結局彼らはもう一人の道場主様を見つけ出した時点でタイムアップ。残り一つの手がかりは、掲示板の書き込みにあったように1週間後、自分たちで見つけ出すというおまけがつきました。

僕らも高学年の子たちと出会うときにはとてもドキドキします。表面的に見えている表情・体の動き・言葉では分からない彼らの「やりたい」という気持ちにどう向き合っていくのか?

彼らが「しょうがねえなあ。やってやるよ。」という気持ちになれるためには、どんなアプローチをすればいいのか?

今回感じたのは、素直に「やりたい」と言葉では出しにくい年齢の彼らに、「やるための理由」を提示してあげることが僕たちの仕事ではないか、ということです。

この日の忍者でいけば

@ 小学生よりも難しい手がかり

A でも見つけられて当たり前、という状況

B 見つかったらダンゴが食べられる

C 終わったと思っていたところに、実は終わりではなかった、という事実

といった要素が彼らの背中をちょっとだけ押してくれたのでしょう。

もちろん過去2回僕らとともに遊んでるというベースがあっての今回です。仮にこの日初めて僕らと出会う関係ならば、また違ったアプローチが必要となるでしょう。

でもこの日の彼らとのやりとりは、積み重ねてきたことで生まれるお互いの安心感を改めて感じさせてくれました。一年に一回しか会わなくても、特別な時間をともに過ごした関係だからこそ創り出せる心地いい時間。

おそらくこの修行中、この3人の動きに気がついた忍者はほとんどいなかったのではないでしょうか?フロシキをかぶることもなく、影忍者の動きにおびえることもなく、ひっそりと使命を果たした3人組。そういう意味では彼らの動きも立派な『忍者』。心の中に『忍者な自分』を持って、また会いたいです!

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