NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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2007年8月23日(木)

第132号『わく・どき・ぐぅ お話つくりの実践より
――オリンピックセンターを身体で感じ合った中からできた物語――』(金子ざん)

引き続きの報告です。前後期ともに、お話つくりを最終日(2日目)にやりました。1日目で、たくさんあそびたくさん思いを作ったその場所やものに、さまざまなイメージをかぶせていくことで、その子なりの、そのチームらしい素敵なお話が8つ生まれました。
まず、それを紹介します。

<前期>(1,2年生)
1)『ゆうれいおばけのたのしい生活』(2年男、まっくろゆうれいチーム)
<手がかりの場所=声の響くところ、不思議な蜘蛛の巣、下向きの排気口・・・>
オリンピックセンターにはおばけが住んでいて、夜になるとゆっくりと動き出す。
・まずは、声の響くところの下へ行き発声練習。
・空気の温泉にてゆっくり浸かる。ああ、温度調節も忘れずに。顔を洗い。手を洗う。
・蜘蛛の巣をくぐっていざ食堂へ、注文は『セミの羽を3枚』。セミから羽を取ってはバリバリと食べる。
・そろそろお日様が出てきたので、おやすみなさい。

※温泉に手を入れて、扱ったり冷たかったり温度調節をするところ、…ゆうれいなので、たえず手を下に向けていなければならないところ、…圧巻でした。

2)『せみの村』(2年女、しりとりチーム)
<手がかり=螺旋階段、鏡の柱、急な坂、屋上の眺めのいいところ>
オリンピックセンターにはせみが住んでいる、みんみんぜみ、あぶらぜみ、ひぐらし、オシロイぜみ……、そんなせみは幼虫から大きくなるところを探してオリンピックセンターを巡る。
・階段を昇り。
・食べ物を食べる。
・鏡の柱に写すとちょと太っていたので、シェイプアップ追いかけっこ。
・草むらでダイエット。
・仕上げは坂を10回昇って降りて。
・景色のいいところまで行って、いざ空へ。

※ 実際に草むらでねころんでみたり、追いかけっこをしたり、素敵な東京の景色に感激したりする中で、身体で感じたことが劇になりました。

3)『がんばれ!さかのぼり!』(1年男、ワンチーム)
<手がかりは、急な坂>
オリンピックセンターには、とても急な坂がある。
・アリでも、のぼれない。
・サルでも、のぼれない。
・おとなでも、のぼれない。
・でも、はだしの子どもには、のぼれる。
・そして、この坂はボールとか、いろんなものを跳ね返す。
・そして、坂にのぼった子どもたちは、次のオリンピックに、マラソンランナーとして参加しました。

※ とにかく、その場所ひとつで、遊んでアソンデあそんでの、1年生男の子らしいお話でした。

4)『森の優しい妖精さん』(1,2年女 メアリーチーム)
オリンピックセンター(略してオリセン)には、困っているウサギの親子がいました。
『森が汚れている、森をきれいにしたいなあ』
『(森とともに) 自分もきれいになりたいよ』
妖精は雲の上に住んでいます。ウサギはその妖精に頼むことにしました。
こころよく引き受けてくれる妖精、
『私は、葉っぱを切る係り』
『私は、(その葉っぱをつむいで、飾りを)作る係り』
『私は木の実で、そこに色をつける係り』
『私は点検をする係り』
こうしてできた冠をウサギの親子にかぶせました。ウサギの親子は、輝いています。そんな風に、森をきれいにする妖精が、オリセンには住んでいます。

※オリンピックセンターの周りには、いっぱい魅力的なものがいて、守り神のようにこの場所を見つめているんだという、ことが、子どものねがいとともにわかります。

5)『スパイダーマント恐怖のオリンピックセンター』(2年男 アメ・チーズ)
<手がかりは、坂、穴、跳ねるだんご石>
・モトキとエトゥーという二人のオリンピック選手がいた。
・エトゥーは練習途中にオリセンバスターの仕掛けた穴に閉じ込められてしまう。
・そこへ、助けに来たスパイダーマン、しかし、オリセンバスターにやられてしまう。
・そこで、たまご石で遊んでいた子どもたちからたまご石を譲ってもらい、そのこたちもスパイダーマンジュニアとして、3人でオリセンバスターに向かう。
・力を得て、ついにオリセンバスターを倒し、エトゥーをたすける。
・『覚えていろよ』の言葉を残し、去っていくオリセンバスター。

※スパイダーマンが修行しそうな、鉄棒を探し当てたところから一挙に話が広がっていきました。

<後期>(3〜6年)
6)『明日へつなぐ宅急便』(3,4年女 リトルズ・フルーツ探検隊)
<手がかりは、さまざまな色の椅子、穴のあいた案内板、黄色いカラーコーン>
・黄色い小人は鳥たちに宅急便を依頼します。
・鳥たちはブルーベリーやらイチゴやら桃やら、おもいおもいのくだものを口にくわえて、飛び立ちます。
・穴をくぐるたびに、速度が増します。
・煙突ドライアーで、毛繕いをします。
・下から光るライトで、からだ中を照らしてからだについたごみを取ります。
・そして、A⇒アイスの国へ、B⇒ばぁちゃんの国へ、C⇒CDの国へ、・・・A⇒明日の国へと届け物をしに行くのです。

※あるいていくたびに小鳥としての発想が広がります。穴をくぐる、穴を抜けるそのときに何か新しいものに変わって行く、新しいことがおこる、そこへの想像力が素敵です。

7)『木になった男たち』(3,4,5年男 YZシャキーン)
<手がかりは、坂や、輪や、渡り棒など>
・オリンピックを目指す男たちがいました。
・しかし、そのうちのいく人かは、練習をサボってしまったためにオリセンの神様から、木にさせられてしまいました。
『元に戻りたいならば、夜の動けるときに修行をつめば、大きな木になり、少年がその木をのぼるであろう。』
・さて、それからというもの、夜中の3時をきっかけに、準備体操をして練習に励む男たちがいたのです。
綱渡り、運てい、ゴム引き、さかのぼり
・やがて、立派な大樹に成長しました。その木に少年が登りました。
・すると選手たちは元の姿に戻り、また再び、オリンピックを目指すのでした。

※時計の音が、『ボーンボーンボーン』と3時を知らせると動き出し、準備体操を始める木になった男たちが、可笑しく、陽気でした。

8)『時間の魔法』(5,6年女 やさしく強くすばしこいABC)
オリンピックセンターを訪ねた女の子7人組は、不思議な3っつの扉を見つけます。
そこは、不思議な時間の流れている不思議な空間でした。
女の子たちは、そこで俳句をひねり出しました。
・まずは、探検隊の私たち
⇒スバシッコイ 好奇心旺盛 愛らしい
・ツタをのぼって狭い空間からのぼったオアシス。
⇒蚊に刺され どくだみにおう やぶの中
・あるとびらを開けると、自分の体がバッタに、
⇒バッタだよ とんでるとんでる 楽園だ
・あら、こちらのとびらは、茶室にご案内
⇒江戸時代 大奥の城 おほほほほ
・そして最後に、みんなで一句
⇒ゆめの中 時間の魔法 出くわした

※その空間を感じそこから言葉をつむいで、俳句にした時間が言葉になる素敵な高学年ならではの物語でした。

はじめ、この場で物語ができるのだろうかと、私たちは不安でした。つまり、お話の手がかりがないではないかと。ところが、1日目の遊びの中で、子どもたちの中にいろんなものが、からだにしみこみ刻み込まれることで、そこに思いや愛着が生まれ、イメージが広がり、つながり、お話が出来ていきました。からだまるごと、この場所で遊ぶ、遊びあうというのは、本当にそこに思い出ができつながりができ、力になるのだと痛感しました。

靴かくしをして、靴が見つからなくなってしまってみんなで、総がかりで探した空間には、オリセンバスターがいるんだ。とか、
木の間を抜けていくと不思議な空間に出るけれど、そこまでに、どくだみのにおいにクラクラし、薮蚊にいっぱい刺されてしまった。
この柱は、全身を移す鏡だ。
これは修行のためののぼり棒だ。
みんなで隠れてじっとしているときにだれかがゲップをしたので、ここはゲップの穴だ。

そうやって、からだまるごと遊んだ場所や空間そのときの仲間は、宝でありからだにしっかりと刻み込まれた思い出になる。だから、いろんなイメージを重ね合わせて、物語を作りたくなる。そうすればまたそれで、より輝く宝になり、強い思い出になる。
そして、そのことは、予定されていたことでなく、思いがけず発見したことであり、そのときにみんなで、初めて探し出したことなので、貴重である。
子どもたちとともに創作したお話が素敵なのは、オリンピックセンターにこんなことがあったらおもしろいな、きっとこうだよな、という想像がいっぱいあり。そこに、こうあったらという思いやねがいがやわらかくこめられていることだと思います。

からだまるごとで、遊びあい、感じあう瞬間をいろんなところで・・・・・・と願う『わく・どき・ぐぅ』でした。

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