NPO法人 あそび環境Museum アフタフ・バーバン
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第133号『それなら、これだ!これが、いい!これにしな!!』(清水洋幸)

夏休み、お盆に、山梨県は小淵沢を訪れ、駅前商店街で買い物をしました。昔ながらの本屋さん、おもちゃ屋さん、種苗店、金物屋さんなどが軒を連ねます。実は、そこの商店街は、6年も続けて僕らと共に忍者修行をしているので(今年も10月に!)、自分の中に、ものすごく親しみがあります。
「今年もよろしくお願いします!」
と挨拶しながら、いろいろ買い物をしていき、最後に閉店間際の肉屋を訪れました。

「いらっしゃい!もう閉めようと思ってんたんだよ!あんまり種類ないけど、いいかい?」
「はい、大丈夫です!」
僕が、肉をいろいろ見ながら、何にしようか考えていると、

「何作るんだい?」
「カレーを作ろうと思ってるんですよ。」
「おっ、それなら、これだ!これが、いい!これにしな!!」
と豚こま切れ肉を出され、
「どれくらい作るの?」
と聞かれたので答えると、
「じゃあ、これくらいだな!これぐらいがいいよ!!」
と量も決めてくれました。
ものすごくテンポよく、肉を買うという行為が展開していき、勝手に決められたような気もしましたが、なんだか嬉しかったのです。
久々に、お店の人から、声をかけられた気がしました。客より、お店の方が強いというか、お店の方が主導権を持っている感じがして、でも、なんだか、そのひと時の交流は、やっぱり嬉しくなるものだったのです。


所は変わり、神戸。

「あっ、道場主様かも!」
興奮して走りよる子どもたち。おそるおそる、
「今、何時ですか・・・・?」
と聞くと・・・・・
「神戸の良さが元町に!」
と返ってきました。無事、道場主様を見つけることができ、子どもたちは、うれしそう。そして、道場主様もうれしそう。

さて、8月下旬に神戸は元町のアーケード街で行われた忍者修行。子どもたちは、影忍者に気づかれないように、道場主様に出会うという修行に挑みました。僕が影忍者として町を駆け巡っていると、子どもたちがお店に入り、探し当てた出会った道場主様(お店の方)とお話をしている姿を見かけました。そこで、僕は、店に入り、
「すみません、この店で忍者を見かけませんでしたか?」
と聞くと(もちろん、子どもたちは目の前にいて、忍術で岩になったりしているわけです)、お店の方は、
「ここには、いませんよ〜、なんか外を走ってましたよ。」
とのこと。
「そうですか」
と一度、店を出て、子どもたちが安心したところに、もう一度来店、今度は、
「どっちへ行ったんですか?」
と聞くと、窓の外を指差し、
「あっちです!」
と一言。ここで、また店を出て、しつこく3回目の来店。
「どんな忍者でしたか?」
と聞くと、
「オレンジ色の頭巾をかぶってました!」
とお店の方。(目の前で息を殺している子どもたちの中にも、もちろんオレンジ色!)

僕が驚いたのは、お店の方と子どもたちと僕の間に生まれた一瞬一瞬の遊び心です。事前に子どもたちを影忍者から遠ざけるように頼んだわけではないのに、お店の方は即興で、見事な芝居を見せ、子どもたちを影忍者の手から守ったのです。その行為が生まれたのは、お店の方の子どもたちへの思いと遊び心があったからだと思います。きっと子どもたちも、ドキドキしながらも、ものすごく嬉しかったのではないでしょうか。

先の小淵沢の話と元町の話に共通するのは、お店の方との関わりの中で、訪れた側が嬉しくなるということです。なぜそうなるかといえば、お店の方の思いが伝わってくるからだと思うのです。小淵沢にしても、元町にしても、お店の方が僕らに思いを寄せ、その人なりの方法で関わってきてくれる。そこには、訪れた者とお店の方との思いの交流があるのです。

最近は、商品が大量に並んでいる大型スーパーなどが増え、そういった所では、なかなかお店の方の思いや個性にに触れる機会がありません。この間は、レジも無人化していました。機械に出会う機会(!?)が多くなっていくばかりです。

元町の忍者が終わった後、道場主様になって頂いたお店の方にお礼の挨拶に伺ったところ、にこにこ顔で、
「次回は、子どもたちと一緒に忍者になりたい!」
なんておっしゃっていました。
お店を訪れる人は、元気をもらうだけでなく、元気を与えてもいるようです。人と人との心の相互作用から生み出されるパワーが、人を元気にするのだな、としみじみ感じました。そして、また、そんな響き合う瞬間に出会いたいと思います。

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